ライトノベル 銀盤カレイドスコープ Vol.3 レビュー

タイトル 銀盤カレイドスコープ vol.3 ペア・プログラム
著者 海原零
イラスト 鈴平ひろ
出版 スーパーダッシュ
発売日 2004年1月


執筆者:jade 評価:
まずプロローグから始まる物語の導入は合格ですね。前作で一つの物語として完結してしまっただけに書き出しはどうするのか、またどういうテーマで物語を紡ぐのかというのが気になっていたのですが2巻からの流れを引き継いでまったく無理のない展開になっています。
序盤〜中盤の流れはどん底から這い上がっていくタズサの姿を描くというお決まりのパターン。ただ前2作と比べるとタズサの心理描写の面でやや見劣りするんですよね。特にタズサがオスカーに恋愛感情を抱くまでの過程がほとんど描かれてないのは問題だと思います。これはオスカーにピートの面影を求めてしまったためと取れないこともないんですけど…そういう好意的な解釈をすれば桜野タズサと言えど一人の少女なんだと思えてくるから不思議です。

さて、この小説の最大の魅力である競技についてですが、ペアに転向した今回も新プログラムを作るという流れになります。ただ今回はオスカーの存在もあることから大胆なプログラムになっておらず、最初のウェイトレスナンバーに比べると地味に映るのは否めないですよね。プログラムの内容はタズサの体験をなぞった部分が多々あるので物語性としては悪くはないんですけど…
そして最も納得いかないのが10章のタイトル。
これ見ただけでラストの結末わかるっちゅーの!ヽ(`□´)ノ
いくらなんでも物語の結末を先にバラしてしまったら興ざめですよ。もう少し抽象的なタイトルを付けるべきだったと思いますね。

前2作と比べると様々な面で少しずつ見劣るのは否めませんが、2巻まででほぼ完結したと言っていい作品から続編を書いたにしては良く書けていると思います。競技中の描写は相変わらず素晴らしく、タズサの恋愛面を書きさえしなければ問題ないため、次巻以降は期待できるかもしれません。ラストはvol.4以降に繋げやすい幕引きでしたしね。水準以上のクオリティは今後も保たれると思われるので次巻以降も引き続き注目したいと思います。


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